Savage Bobberの部屋

 アメリカではこんなフワフワぼよよんの飛行機に乗ってアラスカにキャンプに行くそうな? こんな機体を飛ばせたら面白そうだな、と思っていたところ、N島さんに先を越されてしまいました。

 負けてはいられませんので、まるいわ的にスケールっぽく作ろう、ということで、鋼管トラス構造をヒノキ棒で再現してみようと思います。
 Savage Bobber  まるいわ航空機製造
 アンダー200シリーズ

検討開始    2019年1月20日
製作開始    2019年3月5日
完成      2019年3月20日
初飛行     2019年3月22日


 スペック


 翼幅     750mm
 全長     516mm
 全備重量  196g 重心合わせの5gを含みます。

 モーター   TAROT TM1806 2280KV 改造
 プロペラ   GWS EP7035 6インチに改造
 アンプ     HORNET 12A
 バッテリー  2セル 450mAh
 受信機    6チャン
 サーボ    EMAX ES9051

 フルハイで5.6A流れました。

生地完です。
操縦席ががらりと空いているのでパイロットが欲しくなりますね。

後姿です。
骨組みがきれいです。胴体は塗装仕上げにします。

後姿です。
ちょっと寂しいですが200g超えそうなので(笑)

真正面から。
左右のバランス、傾きなど問題なし。

 飛行記録
 2019年3月22日
 風の弱い朝を狙って8時ごろ飛行場に行きました。でも、この飛行場は風があるんですよねー。

 各舵の方向を確認し、風に機首を向けてゆっくりスロットルを上げます。ほんの2mくらい滑走してふわりと浮き上がりました。離陸からエレベータトリムがダウンであることが分かります。エレベータが効き過ぎでちょっとピッチング気味ですが、コントロールできないわけではありません。エルロントリムも右に傾きます。
 風のせいかちょっと不安定ですが、トリムをピピピと合わせます。上空旋回を繰り返しますが、どうもお尻を振るような不安定な飛行です。風のせいだと思いますが、右旋回で頭を上げるような気がします。(追い風になる) 後で思ったのですが、この様子はSonexやJanetに見られた現象と同じではないか?ということは、やっぱり尾翼の剛性不足だと思われます。尾翼にトラスを貼りましょう。

 風に対しているときはかなり低速飛行ができます。でも、フラフラ不安定ですよ。これで安定したら最高なんですけどね。上空でキャンバーミックスを入れてみましたが、何も変化を感じなかったのは遠すぎたのでしょうか? 本当はローパスなんかして確認したいところです。

 スロットルのON/OFFの姿勢変化はありません。素直です。パワーに不足はありません。もっとも今日のところは上空旋回のみです。次の飛行ではループやストールターンなど軽アクロをやってみたいと思います。

 機体の姿勢が見にくいです。胴体が黒くて骨組みだけでは仕方ありませんが、機体が向こうを向いてるのかこっちを向いているのか分からなくて、どんどん遠くへ行って焦りました。ほんとにパークフライとして近くを飛ばすしかありませんね。

 着陸はスローが効きますので安心して降ろすことができました。接地で跳ねることもなく完璧な着陸だったのですが、滑走が良くありません。すぐに頭を突いてしまいました。

反省点
(1)もう少し重心を後ろにしてみましょう。
(2)尾翼の剛性アップのために糸でトラスを張りましょう。
(3)エレベータが効きすぎなので、サーボホーンの長さを短くしましょう。 
 2019年3月25日
 2度目の飛行をしてきました。風の弱い朝8時過ぎでしたが、残念ながら初飛行と同等か、少し強いくらいの風でした。

 まず初飛行後の変更点です。
(1)尾翼に糸でトラスを貼りました。微妙に尾翼が歪んでしまったのは残念!(写真)
(2)エレベータサーボのホーンを短くしました。(写真)
(3)脚の三角部分を胴体に接着しました。
(4)バッテリーの位置をギリギリまで後ろにずらしました。


 離陸ですが、前回よりもスムーズで、テールを上げてそのままスーっと浮いていく感じ、最高ですね。いくつか変更がありましたが、トリムは変化していません。風に対して強くなったようで、フラフラ感が減っています。トラスの効果でしょう。

 ループをやってみましたが、小さいながらもねじれのないきれいなループでした。合格。ロールは高度を大きく下げます。とてもきれいとは言えないロールです。不合格。ストールターンは余り高度を稼げませんでしたが、素直にくるっと頭を回転して下りてきました。合格。

 キャンバーミックスの調整をしてみました。キャンバーは肩のスイッチSEに割り当てています。1段目ONでは変化を感じません。2段目ONで頭を下げます。一旦降ろしてエレベータのレートを下げます。もう一度上空でスイッチON。まだ頭下げになります。さらにレートを下げてもう一度スイッチON。今度は姿勢変化がなく、レートはこれで決定です。で、本来の目的であるスローフライは?見てません(笑)

 上空旋回では頭下げの傾向はみられませんでしたが、スロットルを下げ過ぎるとエルロンが効かなくて旋回できなくなります。機体が見にくい件は今回は遠くに行かなかったので大丈夫でした。

 着陸はスロットルを下げると降下速度が速いので少しスロットルを維持する必要があります。エレベータとスロットルを上手に調整すればふわりと接地することができ、ほんの1m滑走してテールをタッチして停止しました。今回は調整のため3回着陸しましたが、1回だけちょっとハード、というかコースを外れてラフに飛び込み、足を曲げてしまいました。

 大変満足な飛行でした。初期の調整はこれで終了です。 後はキャンバーを使ったスローフライの調整をしたいと思います。
2019年 4月6日
 風の弱い早朝(といっても8時)を狙って飛ばしてきました。今日は今までで一番風の弱い条件でした。

 今日の目的はスローフライです。初めにバッテリーを思い切り後ろにして重心を下げて様子を見たのですが、正直、特に変化は感じませんでした。キャンバーのスイッチをONして様子を見たのですが、先日の飛行で調整できていたと思ったエレベータのレートがまだ大きいようで、ちょっと頭を下げます。結局エレベータダウンはなくてよいという結論でした。

 この状態で目の前をローパスしてみます。かなりスローフライができます。キャンバーを入れてみましたが、うーん!よくわかりません。さらにスローフライができるんでしょうが、失速も怖いし。

 上空旋回では、風下から風上に向けてターンしようとするとエルロンの効きが悪く、傾いていないのについエレベータを引いてしまいアップアップした飛行になります。スロットルを上げてやればちゃんとターンします。ラダー旋回したらよかったのでしょうか?今度挑戦してみます。

 無風~微風で風上に向かうときは素直な飛行をします。前にも書きましたが、離陸のスムーズさは特筆もの!この機体は目の前をローパスしたり、タッチアンドゴーをしたりするのがお似合いですね。また風のない時にラダー旋回とタッチアンドゴーをやってみたいと思います。

 製作記 

胴体後部は2mmヒノキ棒で作りますので、レーザーカット部品は少ないです。 ヒノキ棒は90cmが4本必要になります。

胴体の前方はバルサ板で作ります。
補強のため、F11でバルサの目の方向を変えます。

原寸図面の上でヒノキ棒を組み立てます。注意としては、ヒノキ棒の長さは紙1枚分の隙間を開けること。突っ張ると歪みが生じます。

ヒノキ棒の接着は高粘度の瞬間で行いました。突き当て部分には隙間が生じますが、バルサの粉を摺り込んで低粘度瞬間で接着します。

主翼の付け根にはバルサ板を接着しました。構造的に弱くなるため、補強です。
  

胴体後半は細く絞られますが、この位置から角を立てて曲げますので、のこぎりで切れ目を入れて曲げます。

胴体をテープで止めて仮組してみました。設計に問題ないので、一旦ばらします。
  
写真を撮り忘れたので組み立ての説明を箇条書きにします。
(1)どちらか一方の側板に胴枠F4とF6を、スコヤなどで直角に接着します。
(2)バッテリートレーを接着します。
(3)反対側の側板を載せますが、まだ接着しません。
(4)胴体後端をぴったり合わせてテープで仮止めします。
   なお、ここの部分だけはずっと先の工程まで接着しません。
(5)歪みがないか十分確認したら、胴枠とバッテリートレーを接着します。

どうも写真を忘れていけません。左右の側板をつなぐヒノキ棒を接着しました。操縦席天井はヒノキ棒がクロスしていますが、板厚の半分まで削って重ねています。

インパネF5とモーターマウントF3を接着しました。F3接着のため機首絞り込みますが、曲げやすいようにF4の位置にのこぎりで切れ目を入れています。

背骨?のヒノキ棒の取り付けは、ヒノキ棒の下駄の上に載せるだけの設計でしたが、弱そうです。バルサで保持するパーツを作りましょう。

サーボトレーの取り付けは、ヒノキ棒を渡して、その上に載せる形です。
  

主翼の取り付け部分にベニヤのリブR1を接着しました。中央の四角い穴はサーボリードの出口です。

かんざし受けの4mmアルミパイプと、回転防止のダウエルを取り付けました。
  

機首の下面に三角材を追加し、サンディングしました。
プランク後にまるく削るためです。

機首の上面のプランクです。現物合わせで型紙を作り、バルサ板を切り出します。曲げ癖をつけるため、水で濡らしてスプレー缶に巻きつけて乾燥しました。

ぴったり合うように微調整します。その後、F4、F5からはみ出した部分をサンディングしました。

なんていう部品何でしょうか?操縦席の前方にあるつっかえ棒ですが、どこに穴を開ければよいか、小さい穴を開けて微調整しました。

モーターをどうやって組み込むか?操縦席から押し込むつもりでしたが、思ったより深くて指が届きません。

それでハッチを作ることにしました。前述のように現物合わせで型紙を作り、バルサ板を切り出して、曲げ癖を付けます。

こんな感じに出来上がりました。
前方の枠はモーターを逃げるためまるく削っています。  

胴体に取り付けて、きれいにつながる様にサンディングしました。
  

脚の取り付け部を組み立てました。
胴体に載せるだけでは心もとないので三角材を追加しました。

機首のふくらみ部分のブロックです。
モーターの取り付けのため、大きな穴が開いています。

機首ブロックをエポキシで接着しました。段差が大きすぎるので、サンディング前にスクラップを貼って修正が必要です。

脚部はエポキシで接着、プランクは高粘度瞬間で接着しました。機首からF4まではまるく削ります。

設計にはなかったのですが、モーターハッチに変更したためモーターマウントの強度不足を感じましたので、三角材で補強しました。

機首をサンディングしました。F1~F3の段差にはスクラップバルサを追加して段差を解消しています。

主翼の製作に入ります。ほぞ組みが面倒ですが、丁寧に組みたてれば、正確でしっかり丈夫になります。

組み立ては原寸図面の上で行います。スパーを図面にテープで止めて歪みを確認したら、リブの浮きに注意して瞬間を流します。

エルロンも同様に組み立てました。
  

R2にカンザシの補強ベニヤを接着します。またR2とR4にまたいでサーボベッドを接着しました。なお、接着面積が小さいので接着剤を多めに盛っています。

主翼を仮組してみました。うっかりしていましたが、主翼の抜け防止がありません。しかも右翼は胴体と隙間が開いています。

というわけで、つば付きタッピングでネジ止めすることにしました。主翼のR2にネジを受けるためのベニヤ板を貼っています。

タイヤを作ります。材料は直径70mm、厚さ20mmのウレタンスポンジと、バルサとベニヤで作ったホイールです。

必要な直径は60mmなので、粗削りしました。ホイールは真ん中に穴を開けて押し込みます。瞬間で接着できますが、ゴム系の方が良いかもしれません。

2mmのネジでチャックにくわえて、60mmまで削ります。
その後、角を丸く落とせば出来上がり。 

少し傾いてしまいましたが、何とか使えそうなものができました。
重さは2個で10gでした。

脚のピアノ線は1.2mmを使いました。実機が三角形のトラス構造なので、真似して三角に曲げたピアノ線を半田付けしています。

尾輪もバルサのホイールにウレタンスポンジのタイヤです。ラダー連動のため、細いピアノ線が後ろに伸びます。

メインギヤはこんな感じに取りつきます。
後ろの三角は胴体にスーパーXで接着する予定。

テールギヤはこんな感じです。わかりにくいですが、白いパイプを埋めてあり、それに刺しています。後ろに伸びるピアノ線はラダーに連結します。

後縁材をテーパーにサンディングするために、リブに養生します。
  

エルロンを削るには写真の様に細長いサンディングブロックを愛用しています。サンディングブロックは削る場所により大きさを変えています。

ストラットは1.2mmベニヤとし、中間のステーは0.6mmピアノ線、取り付け金具は0.3mmアルミ板を使いました。それぞれ糸で縛って瞬間で固定しています。

ストラットをネジ止めするため、スクラップのバルサおよび1.2mmベニヤで部品を作り、リブに接着しました。

生地完成です。
ストラットを取り付けると、ねじれにたいへん強くなりました。

正面からの写真です。このサイズではわかりにくいですが、大きな写真で見ると、ヒノキ棒の枠がきれいに並んでおり、歪みがないことが分かります。
 カラーデザインは手持ちのフィルムの関係で、カブイエローとブライトレッドです。
胴体前方のバルサ部分は水性アクリル塗装、鋼管部分は黒で塗ります。
風防は0.2mmのタミヤプラ板を使います。


追伸
プラ板は曲げると簡単に裂けます。その上、瞬間接着剤が効かなかったので薄い塩ビ板を手配しました。

早速塗装を始めました。鋼管の塗装は面が多くて大変でした。
ところが、重大なことに気づいたのです・・・・

これが参考にした実機なんですが、機首の色が赤なら、鋼管の色も赤なんです。
ガーン! 間違えた!
 
しょうがないので機首を黒に変更します。
情けないです。

完成しました。 飾りがないと寂しいですが、200gを超えそう。

メカ積みの様子です。 重心が前なので、バッテリーは出来るだけ後ろに積みました。

エレベータ・ラダーサーボの搭載の様子です。プッシュロッドは2mmカーボンパイプです。上から降りてくるのはエルロンサーボのリードです。

エレベータとラダーのリンケージです。クレビスはMPJの超小型を愛用しています。エレベータは二股で大変でした。ラダー連動の尾輪もいい感じでしょう?

風防は0.2mmの塩ビ板です。現物合わせで型紙を作って形を決めました。取り付けは瞬間で接着しましたが、あまり奇麗じゃありません。
 以上でSavageBobberは完成しました。
反省点
良かったこと
(1)スパン75cmで初めて200gを切ることができました。
(2)ヒノキのトラス組はなかなか良いスケール感です。しかも、軽量なのに十分な強度があります。
(3)大きなバルーンタイヤもうまく表現できました。 
(4)主翼の構造は初めてのやり方でしたが、軽量かつ正確な組み立てができました。しかも心配した前縁のカーブもプランクなしとは思えない仕上がりでした。

悪かった点
(1)部分的に剛性不足があり、フィルムに皴が残ってしまいました。(主翼付け根、エレベータホーンの付け根)
(2)水平尾翼が剛性不足でした。
(3)風防の接着がきれいにできませんでした。
(4)重心の予測が間違って、メカ搭載が苦労しました。
(5)大きな操縦席なのに、パイロットがいないのは寂しい。
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